ベトナムで2019年に最低賃金を5.3%引き上げる

ベトナムの国民賃金審議会は、2019年に最低賃金の5.3%引き上げを提案しています。前年と比較し最も低い引き上げ額は、4地域の月7~9 米ドルの引き上げです。2017年は7.3%の引き上げで、2018年が6.5%でした。

雇用者を代表するベトナム商工会議所(VCCI)は、5.1%の増加を提案する一方で、雇用者代表するベトナム総労働組合(VGCL)は、最低6.1%の増加を提案しています。全国賃金協議会と協議した後、5.3%で合意しました。

最低賃金が上がる

2018年の最低賃金が6.5%増加ということで、276万ドン( 118米ドル)から398万ドン(171米ドル)の範囲でした。2019年の提案が政府に承認されれば、新たな最低賃金は292万ドン(126米ドル)から418万ドン(180米ドル)の範囲となります。

地域・2018月最低賃金・引き上げ提案額・2019月最低賃金

・地域I- 3,980,000ドン(171米ドル)・ 200,000ドン(8.6米ドル)・VND4,180,000(180米ドル)

・地域II- 3,530,000ドン(152米ドル)・180,000ドン(7.8米ドル)・3,710,000ドン(159米ドル)

・地域III- 3,090,000ドン(133米ドル)・160,000ドン(6.9米ドル)・3,250,000ドン(140米ドル)

・地域IV- 2,760,000ドン(118米ドル)・160,000ドン(6.9米ドル)・2,920,000ドン(125米ドル)

・地域Iは、都市のハノイとホーチミン市が含まれます。

・地域IIは、都市のカントー、ダナン、ハイフォンと、農村のハノイとホーチミン市が含まれます。

・地域IIIは、地方都市とバク・ニン、バク・ガン、ハイ・ドゥオン、ビン・フックが含まれます。

・地域IVは、残りの地域をカバーしています。

生活費

雇用者を代表するVGCLは、ベトナムの150の異なるビジネスで3,000人の労働者を対象に調査しました。調査結果では、労働者の26.5%が「かろうじて暮らしている」と答え、12.5%が家族を養うには不十分な賃金だと答えています。調査対象となった労働者の約44%は、平均28時間の残業をする事で目標に辿り着く状態です。

調査によると、労働者は残業を含めた平均基礎給与が約460万ドン(197.8米ドル)ですが、月々の平均最低支出が650万ドン(280米ドル)なのです。

2017年の消費者物価は3.53%上昇し、2018年の最初の7ヶ月間で3.45%増加しました。2018年末までに、4%に達すると予想されています。インフレと賃金が強く関係しているため、インフレ率の上昇は賃金の上昇につながっていきます。

最低賃金の5.3%引き上げ案は、2018年の消費者物価の予想上昇率よりわずかに上回り、これは2020年には購買力を維持するために、大幅引き上げを政府に強いることになるでしょう。